やまのひとりごと

なにか考えるとき、少し浮いてる気がします。

派遣で出会った変わった人(その2)

前回のエントリーで、派遣で出会った変わった人「月野さん」についてのさわりについて書きましたが、今回はその続きです。

返事は「にゃっ」

まだ山口さんと私が派遣される前、前田さんと月野さんしか居なかった時に前田さんが月野さんを呼んだ時のこと。

前田さん「ねえ月野さん」

月野さん「にゃっ?(すごい勢いで振り返る)」

まさかの猫語。

了解は敬礼ポーズ

これも前田さんから聞いた話ですが、社員さんが仕事内容を教えてくれた後のこと。

社員さん「じゃあこんな感じでお願いしますね」

月野さん「了解しましたっ☆(敬礼ポーズ)」

猫語と敬礼を目の当たりにし、前田さんは

「私あれ見て月野さんと二人でやって行く自信一気になくなった…あと二人派遣さんが来るって聞いて、”どうか普通の人来てくれ…!”って思ってたの!やまさんが居てくれて本当に良かった!」

と漏らしていました。

全て自分の話に置き換える

出会って数日のまだ慣れない相手。普通だったら「どこに住んでるんですか?」とか「次のお仕事ってもう決めてるんですか?」とか「休日何してるんですか?」とか何かしら質問して会話しようと努めるかと思います。そして聞かれたら同じ質問を相手にもしてみて、そうやってまずは話を広げていくんだと思います。
しかし月野さんは違います。質問をしても質問返しがありません。そして4人で話をしていても全部自分の話になってしまうのです。

私「前田さん結婚して何年ですかー?」

前「もう8年になりますー。」

私「いいですね〜。今でもラブラブなんですか?」

前「10代からの付き合いなんでもう腐れ縁の友達って感じですよ」

山「なんか素敵ですねー」

月「私今は彼氏居ないけど、前は居たんだよぅっ」

いやいや、居なさそうとも言ってないし、そもそもそんな事聞いてないし…

私「山口さんの住んでる所、最近お店たくさん出来てきててにぎわってますよね〜」

前「そうそう!なんかニュースでもやってた、都会うらやましい〜」

山「そうですね〜、確かにお店が増えてきてありがたいですね。でもやまさんの住んでる所も駅ビルとか出来て活気ありますよね」

私「あ〜出来ましたけど全然ですよ、入ってるお店ホント微妙ですもん」

月「私その駅ビル行った事ある〜!通ってた高校がその沿線だったからさ、その時の友達に『来いよ』とか言われて行ったんだ〜。そいつホント人使い荒くてさ〜『おい、○○来いよ』とかすぐ言ってきてさ、でも私もホイホイ行っちゃうんだけどさ〜!でそいつさ〜…」

後半からあんま聞いてませんでした。

他にもたくさんエピソードあったんですが、忘れてしまったー。
とりあえず、話をしていると「まあ私は…」と自分の話題にしてしまう訳です。

男の影を匂わせる

月野さんは、「友達がこう言ってた」的な話をする時はほぼ確実に語尾に「だぜ」をつけ、その友達があたかも「男」であるかのような言い方をします。

前「月野さんはご実家ですよね。家出ようとか思わないんですか?」

月「んー前に一度『ルームシェアしよう』って言われた事あるんだけど〜」

なんかちょっと回答ズレてないか?

前「(月野さんのお弁当を見て)あ、アボカド入ってますね。好きなんですか?」

月「んーそんな好きじゃないんだけど、前に『アボカドって栄養満点なんだ』って言われて、それから食べるようになった〜」

ってか栄養満点だって知らなかった

(派遣先の近所に大きな酒屋があってその話題で)

山「私お酒大好きで、あのお店何回か覗いちゃいました」

前「え、なんか意外!すごくキッチリ真面目な方なんで、お酒とかもあんまりかと思ってました〜」

私「同感!山口さんって普段すごく大人しいじゃないですか、お酒飲むとどうなっちゃうんですか?」

山「いや、普通ですよ!あ、でも管巻いたりしちゃうかもしれないですね…」

私「え〜意外〜!一度山口さんと呑んでみたいな〜」

山「お酒呑まれます?」

前「私は体質的に呑めないの〜」

私「私はけっこう好きですねー、週末はいつも誰かしらに声かけちゃいます」

月「私も昔の職場で良く『お前も来いよ』って誘われてたな〜。も〜行かないって言ってるのに無理矢理!で結局大勢になっちゃってさ〜。」

いやたぶん最初から大勢だったんじゃなかろうか。

月「眠い〜」

私「月野さん、なんかいつも眠そうですよねー。私なんて逆に”早く入力しなきゃ!”って焦ってて、眠気なんて全然来ませんけどね〜(毎日眠くて仕事してない月野さんに嫌気が差してちょっと嫌みを言う大人げない私)」

月「なんかこの会社の雰囲気が眠くさせるんだよねー。前の会社なんてさ、眠そうにしてると『おいお前眠いならちょっとコーヒー買ってこいよ』ってポイッと外に出されるもんだから、仕方なく『ほーい』ってコーヒー買いに行ったりしてたなー。もうほんと人使い荒い(笑)」

ん?前の会社でも眠かったの?この会社だから眠くなるんじゃなくて…?仕事中にポイッとコーヒー買いに行かせるとかそれプラダを着た悪魔?しかも後半に登場したの絶対男だよね?そしてまた話それたよね?

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社会人になると、会社の飲み会が増えたり、接待したり、付き合いでゴルフしたり、「あ、なんか大人なことしてる!」って思う瞬間ありますよね。私もありました。ビールがウマく感じるようになったり、会社の付き合いでパーティーに行ったり、花金にオシャレなお店で女子会したり…
そして回を重ね、次第にそんな大人イベントにも慣れていくのです。

月野さんの話を聞いていると、なんかこの「一般的に通るであろう大人イベントを私もしてるよ、ほら!」っていうアピールのように聞こえて仕方ないのです。加えて彼女の話にはイマイチ具体性がないような印象を受けるのですが、それがかえって「でも実際はそんなイベントした事ないから想像で言ってます」感を助長しているようにも感じるのです。

私の中学の同級生にもそんな人がいます。
就職しても数ヶ月で辞めてはプー太郎を繰り返しては皆に心配されている男の子がいるのですが、昨夏同級生でBBQをしようとLINEグループ内で出欠の確認を取っていると、「俺その日はゴルフコンペがあるから行けないわ〜!」と返信していました。彼は毎年そんな感じで具体的な理由を出して一旦は断るのですが、結局毎回来るらしいです。それもつまりは
「俺、仕事してるんだぜ。ゴルフコンペとか行っちゃうんだぜ。」
っていうアピールなんだろうなあ、その感覚が今やっと彼に訪れたんだなあとみんな言っていました。

月野さんもそんな感じなのかなあ…

ネム&とにかく無駄が多い

これは仕事初日から皆感じていた事なんだけど、月野さんはとにかく仕事が遅い。
そりゃ個人差もあるし、マイペースな人なら多少遅くとも仕方ないとは思うけど、月野さんの場合は違う。ずっとずっとおネムなんだ。
加えて余計な事が多すぎる。

  • 午前中からおネム。そのためトイレに立つ回数多め
  • ネム対策としてブラックコーヒーやスースー系の飴やガムを飲食するも効果なし
  • パソコンと手元の資料を何度もにらめっこ(何を確認しているのかは不明)
  • 几帳面な性格らしく、資料へのチェックも定規を使用
  • 営業さんから「内容より早さ重視だから、迷ったらいちいち人に聞かずに適当に入力して構わない」と言われ皆ある程度適当にやっていたが、月野さんだけはずーーっと人に聞いたり調べたり付箋を貼ったりと全然早さが上がらない
  • なんかずっと落ち着かない。一件入力してはキョロキョロ、ガサゴソ。
  • 良く外を眺めている

眠気対策最終兵器「卓上扇風機」

ある日月野さんが事務のお姉さんにこんなことを聞いていました。

月野「すみません、USBの卓上扇風機を持って来ても良いですか?」

事務「え、良いけど…なんで?暑いの?」

月「いえ、眠くなっちゃうんで」

事「…?まあ構わないけど…」

ということで翌日から卓上型ミニ(いやミニって程小さくもない)扇風機を持参していました。そして眠くなる午後にスイッチオン!

うぃーんうぃーんうるさいわ!しかも風そよそよこっちくるわ!
「風きもちいです〜」みたいな顔で涼むなや…なんかイラっとするわ…

しかもテプラで作ったフルネームシール貼ってあって、「前の会社で使ってたから」って言ってたけど、え、前の会社ってみんな同じ卓上扇風機使ってたってこと?わからなくならないようにテプラで名前貼っているの…?

突然「パソコン代わってほしい」と言われる

派遣先で使わせてもらってるパソコンは普段営業さんが使用しているパソコンで、営業さ んがおおよそ外出する時間が私たちの始業時間でした。(10時半)「早く来た人から空いてる所座って良いよ」と言われていたのですが、何となく初日に使っ ていた席に皆落ち着いていました。ところが何日か経ったある日、月野さんからこんな要望がありました。

月「このパソコン使いにくい」

前「え、じゃあ私の所と代わりましょうか?」

月「その席の人は喫煙者だからイヤ」

前「…」

月「(私の使っているパソコンを指差して)そのパソコンが良い」

前「エッ」

私「(ここで二人の会話に気付く)え、何ですか?」

前「…月野さんが今のパソコン使いにくいらしくて、やまさんの席と代わってほしいそうなんです…」

私「エッココ?なんで?」

前「…(首を傾げる)」

私「(めんどくせえな…)まあ私はどこでも良いので、代わりますよ」

前「大丈夫ですか?」

私「私は別にどこでも大丈夫なので」

月「ありがとーう!」

 仕事に集中していて前談を全く聞いていなかったのですが、前田さんの困惑具合を見て、これはめんどくさそうだから言われるがままに代わろうと思いさっさと席を明け渡しました。が、今回の件もちょっと意味が分からない。

今 回派遣で使わせてもらっているパソコンは、デスクトップ1台とノート3台。後から聞いた話だけど、どうやらデスクトップが一番の希望だったらしい。だった ら唯一のデスクトップを使っている山口さんの所と交換してもらえばいいのにと思いきや、その席の人も喫煙者で、それが嫌だったそう。

見ていると営業さんは席を固定せずに空いてる所で皆作業しているからどのパソコンでもあまり変わらないと思うんだけど、その上で「喫煙者のパソコンは嫌だ」ってこだわりあまり意味なくない?

っていうかパソコン代わるほど使いにくいってどんだけやねん!

しかも帰りに
「あのパソコン使いにくくない?大丈夫だった?」
と聞いてきて
「あ、全然大丈夫ですよ」
というと
「なんかたまにエラーでません?」
って聞いてきたけど、え、エラー出るからパソコン変わりたかったの?そのエラーパソコン私に押し付けたって事?ひどくない?

どうせならおネムで仕事進まない月野さんが使ってればいいじゃんか…

ダイエットしてるの?してないの?

昼食は決まって少なめ。かなり少なめ。
一口サイズの小さいおにぎり一個と、少量の春雨サラダのみ。毎日献立は違えど大体そのくらいの分量。
どうみても巨漢だし、ダイエットしてるのかなあと思っていたけど、飴やらガムやら小さいお菓子やらを常に携帯している。(時々みんなに配ってくれる)
ごはんが少ないせいか、仕事中お腹がすくのか、社員さんが居ないスキにキットカットやらクッキーやらをけっこうな頻度で食べる。お菓子の袋を開ける「ガサッ」って音を1日何度聞いていることやら…
飲んでいるものはペットボトルのカフェオレやらカルピスやら。
普通にごはん食べた方が良い気がするんだけど…

そんな調子でもちろん仕事も進まない

朝から晩までおネムな彼女はもちろん仕事が進むわけもなく、他の人が1日6〜7店舗分入力しているのに対し、月野さんは2〜3店舗程度。でも本人は至って普通。っていうかむしろみんなと同等くらいの感覚でいるからすごい。

前「1日8店舗入力なんてキツいよね!なのにノルマなんてひどいよ」

私「ホントですよね。自分たちでやってみろって感じですよね」

月「そうそう。終わるわけないし!」

いや、そうそうってあんた、余計なことせず仕事してから言ってくれよ…

 

つづく。