やまのひとりごと

なにか考えるとき、少し浮いてる気がします。

派遣で出会った変わった人(その3)

派遣先で出会った変わった人のお話。まだまだ続きます。

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派遣期間も折り返しに差し掛かったある日、この一ヶ月の中で一番BIGな出来事がありました。

「交通事故で遅れます」

いつも通り出勤して仕事を始めましたが、あれ?そういえば月野さんがいない?
派遣の皆で「どうしたのかな?」と心配していると、事務のお姉さんからこんなことを言われました。

月野さんは事故にあったとの事で、今日は午後から出勤するそうです。

 じ、事故ですと!
みんなで「大丈夫かな?」と最初はとても驚き心配しましたが、午後から来るってことは軽傷ってことかなあとも思い、さほど心配せずに仕事を続けておりました。

そして午後「おはようございます、遅れてスミマセン〜」と普通に出勤して来たので、皆「ああ、元気そうだ、大丈夫なんだな」と一安心しました。

事故と聞いていたので、とりあえず大丈夫だったか、どんな事故だったのか聞いてみました。

私「事故大丈夫でしたか?」

月「うん、ぜ〜んぜん大丈夫(手をプラプラ)」

私「どんな事故だったんですか?」

月「うんとね、隣を走ってた車と接触しちゃったの」

私「巻き込まれちゃったんですね」

月「ううん、違うの〜。なんか横を走ってた車が曲がってバックしてきて、運転席のミラーと接触したの。そんでミラー壊しちゃったのw」

私「…?(横を走ってた車がバック…?公道で…?)」

月(手で自分と車の様子を再現する)

私(それでもよくわからない)

月「警察の人が来て説明してるんだけど、全然理解してくれなくて時間かかっちゃったよ」

私「へえ…(そりゃその説明じゃ誰もわからないだろうよ…)」

月「運転してたのが21歳の初心者の女の子で、その子が電話で父親呼び出したら、その父親がやくざみたいな怖い人で、『お前が当たってきたんだろう!』みたいに責められたんだよ〜」

私「…それは大変でしたねえ」

皆明らかに「?」って感じの顔してましたが、まあいくら聞いてもよくわからないだろうし、そもそも聞いて何をする訳でもないので、さらっと聞いて仕事を再開しました。

月野さんは右手に一枚小さな絆創膏を貼っていましたが、その後席でいそいそとテーピングをし始め、時折手をプラプラさせて、手が痛そうな素振りを見せていました。

外回りから帰ってきた営業さんが月野さんの姿を見て
「事故だったんだって?大丈夫?」
というと、誇らしげにテーピングした右手をかざし
「こんなかんじです〜」
と絵に描いたようなドヤ顔で言っていました。こんな感じってどんな感じだ?

隣を走っていた車がバック?

側道を走っているという事は、車の左側(助手席側)を走っている事になります。よって、運転席側のミラーには当たるはずがありません。でも本人は運転席側のミラーを壊したと言っている…しかもバックしてきたと言っている…つまりこういう事?

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(下手くそ)

え、こんな動きあり得るの…?

ってかテーピングって病院でしないの?

病院行ってきたらしいけど、テーピングって普通病院でしてくれないの?自分でするのか?しかも仕事中にするんか?それってテーピングするほどでもないと病院が判断するほどたいした事ないんじゃ…?(いやでも事故だったらそれでも普通処置するけどなあ…)

別日に現場検証を行うらしい

翌日、月野さんはこんな事を言い出しました。

知り合いの警察官にこの事を話したら、『物損事故ではなくて人身事故に切り替えて現場検証をした方がいい』って言われて、そうする事にした。現場検証は平日にするから、その日はお休みを貰う。

私は人身事故にあった事がないのでよくわからないのですが、どうやら人が絡む事故でも、軽傷な場合は物損事故として扱う事が多いらしいです。今回の事故程度の場合、通常は物損事故として処理をされるらしいのですが、被害者が申し立てる事で人身事故として処理する事が出来るようで、その場合、日を改めて警察立ち会いのもと現場検証を行うようです。
どうやら月野さんは、加害者とその父の態度が気に入らなかったからという理由で人身事故に切り替えたんだそう。

物損だとしても治療費はもらえるし、人身にした所で月野さんが何かプラスになる事もないし、仕事休んでまでする事なのだろうか…まあいいけど…

そんなこんなで、12月の金曜日に現場検証という事で1日お休みをしておりました。

交通事故を予言していた?

月野さんが事故だと言って遅れてきた帰り道、前田さんからこんな話を聞きました。

前「月野さんの事故って…ほんとかなあ」

私「あー。私もそれ思ってました。なんか月野さんって性格的に構ってチャンだし、みんなに心配されたいがための嘘かとちょっと思っちゃってますwしかも仕事もみんなより遅いし、手の痛みを理由に言い訳したいんじゃないかと…って私性格悪いですねー!」

前「うん、私もそう思う。っていうのもね、私昨日こんな話聞いたの」

私「?」

前「月野さんがいつも通ってきてる道って夜暗いじゃない?*1道狭いのに結構なスピードで車が通るらしいの。で、なんかそんな話されたから『気をつけてくださいね』って言ったら『この会社に来る途中で、私事故にあって来られなくなるかも』とか言ってきたの。意味わかんないじゃん?何の予言?って感じじゃん?でも一応もう一度『気をつけてくださいね』って言って話し終わったんだけど、その翌日に、事故だって言うじゃん…」

私「え…それじゃあ事故は嘘ってことですかね?」

前「でも、病院の診断書持ってたんだよね…」

私「あ、そうでしたね…」

前「ってことはさ、自分から当たりに行ったって事じゃない…?」

私「なるほど、それが一番可能性高いですね…」

構ってチャンの極み?

学生時代、クラスに一人は『構ってチャン』がいなかっただろうか。どこが痛いだの霊感があるだの言って友達の気を引いたり、心配させたり、やりたくない事から逃れたり。私が思い浮かべるのは、マラソン大会とかですぐに走るのを諦めて歩き、体育の時間が終わるとしれっと帰っていく人。あとは自分が嫌いなスポーツの時は、体調が悪いと言って見学をする人など。偏見かもしれないが、こういったパターンの人は太った人に多い気がします。(あくまでも私が今まで見てきた人の統計です。)

私は月野さんと一緒に仕事をする中で、なんかそんな気があるんじゃないかなーと何となく思っていたけど、今回の一件でその予想が確信に一歩近づいた気がします。

まだまだ続きます。

 

*1:月野さんはみんなと違う細い道を通って会社まで来ている。街灯がないため夜は暗い